一喜一憂 – naoyuki pabro design|ナオユキ・パブロ・デザイン http://pabro.osaru.us/www ロゴ・デザイン、パンフレット、ウエブ・デザイン、Wordpressによるサイト構築を。 Tue, 30 Jun 2020 01:32:24 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.8.14 KDP Amazon キンドルのダイレクト・パブリッシングにラクにさくっとやってみる http://pabro.osaru.us/www/blog/2020/01/11/kdp-amazon-%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%83%89%e3%83%ab%e3%81%ae%e3%83%80%e3%82%a4%e3%83%ac%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%bb%e3%83%91%e3%83%96%e3%83%aa%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%ab%e3%83%a9%e3%82%af/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2020/01/11/kdp-amazon-%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%83%89%e3%83%ab%e3%81%ae%e3%83%80%e3%82%a4%e3%83%ac%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%bb%e3%83%91%e3%83%96%e3%83%aa%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%81%ab%e3%83%a9%e3%82%af/#respond Sat, 11 Jan 2020 14:39:29 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=1341 もし出版可能なテキストが手元にあって、夜の空いた時間に数時間費やすことができるなら、1週間以内にキンドルにアップすることができる。

実際に一度やってみれば1週間もかからないだろうことに気づいた。
そして、ハードルの低さに驚いた。

でも最初は何でも初めてだからわからないことも多く、他のブログを参考にしながら進めることになる。参考書も出てるから慎重派は買って進めるのも良いだろうが、本当のところとても簡単だ。

テキスト中心だが、いくつものブログをはしごしないように忘備録としてまとめておくことにした。

1)確認事項としてはアマゾンのアカウントが必要。マイナンバーの番号が必要。
既に小売の「出品サービスアカウント」があれば、出版社情報と支払いの受取方法を引き継げる。(マイナンバーは税に関する記述欄があるので必須です)

2)KDPにログインしよう。
https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/

3)サインインして、自分のアカウント頁を開く。
3つの項目「著者/出版社情報」「支払いの受け取り方法」「税に関する情報」を埋めよう。
「税に関するインタビュー」では □私は米国以外のTINを持っています という欄にチェックを入れたら「TIN値」の入力欄がある。TIN値とは何だかわからないだろうがここがマイナンバー記入欄だ。(マイナンバー自体にネガティブな印象を持つ私だが記入しましたよ)
ここまでは初期設定と言えるものだ。

3)本棚に行き、「タイトルの新規作成」をしよう。
もちろん出版可能なテキスト or ePubデータを用意済みが前提である。・・・だが・・・このePubデータ作成自体に手こずることになる。(後述)

4)作成の流れは3つのパートに分かれている。
I:Kindle 本の詳細 II:Kindle 本のコンテンツ III:Kindle 本の価格設定 だ。

I:Kindle 本の詳細 で「本のタイトル」を決め、フリガナ・英字記入。「サブタイトル」も記入。オプションと書いてあるからサブタイトルはなくてもいいものだ。が、マイナー書籍が少しでも目立つような文言を入れておけば、ユーザーの手がかりとなることは間違いあるまい。
幾つかの必須項目を埋めたら「内容紹介」を丁寧に記述。自己紹介や”目次”や特典などで空間を埋めたらどうだろうか。(やはりマイナー書籍の中身の手がかりとなるわけです)

II:Kindle 本のコンテンツ では用意したテキストファイルをアップロードする。テキストファイルと言っても実際はスタイルシートの記述されたePubデータだ。(後述)

II-1・本の開き=読む方向指定
II-2・原稿 ePubのアップロード
II-3・本の表紙画像のアップロード
II-4・本のプレビュー(オンラインのプレビュー機能、他)

上記のプロセスは試行錯誤こそあるが、結論だけ記載する。
II-1 和書なら右から左(縦書き)だ。用意したePubに手を加える必要がある。(後述)
II-2・原稿はePub以外でも良いが、Macなら「Pages」というアプリで簡単に出力できるのでお勧めである。アップロードは何度でも試せるから怖がらずに失敗を繰り返せる。
II-3・本の表紙画像のアップロード 3:4の大きめ(2100×2800ピクセル)のJpegをアップする。
II-4・本のプレビュー オンライン上でプレビュー。もしくは「ダウンロード版プレビューアー」アプリで確認できる。キンドル実機があれば直接USBで繋いで転送し確認も可能だ。それぞれスタイルシートの解釈に微妙に違いがあり実機が一番である。

これらが確定すれば保存して「III:Kindle 本の価格設定」へ進む。なお、いずれのプロセスも途中で作業保存できるので慌てることは無い。次の日にしてもよい。

III:Kindle 本の価格設定 ではおおまかに以下の3つを決める。
「KDPセレクトへの登録」「出版地域」「ロイヤリティと価格設定」だ。
この中で一番迷うのは「KDPセレクトへの登録」「ロイヤリティと価格設定」との関係だ。マイナー書籍は有無を言わず最低価格とするべきと考える。(絶対では無い)
しかるに最低価格とは99円か250円であり、前者は「KDPセレクト無し」後者は「KDPセレクト有り」である。なかでもロイヤリティの高いのは「有り」で印税70%をいただける。「無し」の35%の2倍だ。当然単価が高いのでユーザーからは購入ハードルも高くなる。「有り」のメリットとは定額読み放題の「Kindle Unlimited」の対象となるため無料でダウンロード購読されやすくなるということ。アンリミテッドの無料購読は一定の割合に応じて利益分配されるようである。キンドル実機を所有のアマゾンプライムの加入者にも恩恵がある。月一の期限・条件付きで無料購読できる。多少単価が高いがダウンロード機会が増えるサービスを選ぶか、格安でアマゾンの棚に置いてもらうか。それはコンテンツの内容次第といったところだろう。
私は自分が用意したテキストに利益追求の欲望がまったく無い。そのため、たくさんの人の目に止まる(かもしれない)KDPセレクトを選んだ。KDPセレクトはアマゾン独占配信となるため、楽天ブックスなど他の配信システムも利用したい野望を持たれる方は選ばない方が良いと思う。

なお、定価に対する配分は、「ロイヤリティと価格設定」でロイヤリティ70%を選んでおけば値段をいくらにしようとも自動計算してくれる。
その他の項目はスルーして良い。

ここまで決まれば、「Kindle本を出版」というオレンジのボタンを押して作業終了だ。

説明には店頭に並ぶまで最大で72時間かかる模様だが、私の場合は夕方に申請してその日の夜のうちには出版された。もちろん内容によっては時間がかかったり時には差し戻しもあるかもしれない。

KDPのアカウントの本棚を見ると申請中の本のステータスを見ることができる。完了すれば「販売中」になる。

うれしいのでさっそくアマゾンで検索にかけてみればすぐに確認できるだろう。



前後するが、見栄えの良いePubを用意するにはどうすれば良いかという問題がある。前半で(後述)と書いた原稿の準備の仕方について記述しておこう。

私はKindleでの可読性を担保できるよう、フォントサイズなど可変できる仕様のePubを作成した。リフロー型という。(漫画などレイアウトの定まったタイプでは無い)
このePubは要はテキスト中心のxhtmlファイルとスタイスシートをZIP圧縮したようなものだと思えばいい。

ツールはマックのPagesである。

Pagesは横書きであるが、作業中は横書きで進める。縦書きが最終目的である場合は、英数字に気をつかおう。縦た時に90度ひっくりかえるのだ。全角数字や漢数字で置換しておく。
本文以外にタイトル、見出し、見出し2、注釈等、文中には整然と論理的な構造が存在する。当然これらはキンドルでも目次や文字の大きさとなって現れる。これらのマークアップをPages上のツールでフォーマット指定することになる。

指定対象ごとに改行したら行を選択し、タイトル、見出し、などを指定する。これらは出力時にH1 H2 となって論理的なタグで囲われることになる。Pagesは見出し指定ておくことで、後で目次を作る時に自動で作成してくれる機能がある。たいへん便利だ。

ひととおりマークアップしたら、奥付を書こう。
出版日や、プロフィール、発行者、著作権の記述だ。

最後に「目次」を作成したいページの最初のページに空の行を置き「挿入」>「目次」を選択しよう。「次の該当箇所」で目次として拾う対象をチェックしておけば希望の目次ページが出来上がる。

後戻りすることの無いようにこの段階で文字校正をしっかり行っておく。(実際私はePub出力後も誤字脱字に気づき何度も戻って出力し直した)

このままではデザインや見た目でいうとあまり良いものでは無いが、電子本の利点であるユーザーに委ねられた可読性能は、できるだけ原稿をシンプルに論理的に作成しておくことで達成される。

書き出しは「ファイル」>「書き出す」>「EPUB」で〜す。

追って、スタイルシートによる縦書き化と改ページなどレイアウト調整について書き加えようと思う。
pub

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コンテンツSEOについて知る学ぶ http://pabro.osaru.us/www/blog/2018/08/17/contents-seo/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2018/08/17/contents-seo/#comments Fri, 17 Aug 2018 14:28:49 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=1315 コンテンツSEOについて学ぶ機会がありました。
いろいろ雑多に話は進みましたが、要点はこうです。

「記事を配信し、SEO対策を行う」これ、コンテンンツSEOです。

当たり前ですが、有用な記事こそSEO効果が高いのです。
記事を読んで、理解し、理解化されてゆく。理解化が蓄積されてゆく。

その戦略とは、何かというと・・・
検索エンジンに「何のメディアなのか評価を得ること」が優先されます。
関連テーマ記事を過去のコンテンツからリライトし、キーワードの幅を徐々に広げてゆくことも重要です。

 

大事なクエスチョンを挙げます。

「そのコンテンツをブック化したいですか?人に薦めたいですか?」
「あなたの貴重な時間をそのメディアに使えますか?」

それに応えうるコンテンツとは専門性かつオリジナルであること。
また独自性と網羅性、一貫性と具体性を備えていること。

 
つまり、検索上位コンテンツはそれらを兼ね備えており、質の良いコンテンツであり、それはリクエストに対し網羅・解決させるコンテンツである。なぜなら検索機関はそうすることでユーザーの疑問に最短で的確な答えを提示しようとしているからです。
もしかしていままで正反対のことをやっていたかもしれませんよ。

一貫性や網羅性とは、内容にブレがないことであり重要なポイントです。

そして具体的であるほど情報量は自然と増え、より質の高いコンテンツになってゆきます。

ちなみにインタビューコンテンツは検索対応としては評価は低いものとなっているようです。
このことについて考えてみましたが、‘お客様の声’のようなものは真実性が低いからではないかと推察します。

さて、SEO対策を事業者に頼むとそれなりの予算を組まねばなりませんが、コンテンツの価値を高めるという根本的な作業は自社で行うべき問題であり、段階的戦略的に行えば安価に良い結果を生みます。

1戦略設計
2ペルソナ
3キーワードの選定
4検索者心理
5コンテンツの骨子
6骨子に沿ったコンテンツ制作

 
順に見てゆきますが、ここではキーになる表現を見出しの側に付するのみとします。重要なキーワードを含んでおり、それぞれは深掘り価値のある内容です。

 

 
1戦略設計
現状を知る 構造 UIUX 内部SEO 検索エンジン評価(サーチコンソール、アナリティクス)→ 弱み強みを把握 有料ツールを使う
*知ろう!

 

 
2ペルソナ
顧客をイメージする コア層は? なぜ選ばれているか? リーチしてゆきたい層はどんな人? 一番利益に繋がりそうな人は? 
カスタマージャーニーという心理レベルを考える。
レベルA:問題がわからない人(問題提起)
レベルB:問題はわかるが解決方法がわからない人(解決)
レベルC:解決方法はわかるが実行方法を比較したい人(比較)→ターゲットは誰でどんなことを考えているかをコンテンツへ AからBへ BからCへ育ててゆく
*考えよう!

 

 
3キーワードの選定
ボリューム調査(Googleキーワードプランナー)
スモール(雑多 ロングテール)→ ミドル → ビッグ(最適)キーワードへ
評価の得やすいスモールから育ててゆく。上位を取れやすい。
*調査し抽出しよう!

 

 
4検索者心理
キーワードが決まったら制作へ。(キーワード サジェストで検索)
・競合コンテンツ確認
・サジェストワードを確認(検索時の推測ワード)
・供起語(関連語句ツールFind Word)を確認、反映。検索意図の可視化。
供起語を使って網羅性・一貫性・具体性ある文章としてしっかり編集。
*整理し認識しよう!

 

 
5コンテンツの骨子
記事の骨子の設計図を作る アウトラインがわかる表→ キーワード・ペルソナ(ターゲット)・競合・知りたいこと・記事からわかること・記事タイトル・大まかな流れ

タイトルh1→導入(総論)→見出しh2 パラグラフ各論 →繰り返し → まとめ(結論)
パラグラフの構成:「見出し 主題 支持文 終結分」
*創ろう!

 

 
6骨子に沿ったコンテンツ制作
ペルソナ作成キーワード抽出
SEO3C(自社 検索者 競合)分析
コンテンツの質を高める
コンテンツ化
*仕上げよう!

 



 
私たちは闇雲に進めるのではなく、計画的に準備して、よりよいコンテンツ作りをするべきなのです。それがユーザー心理に沿い有益な情報を伝えることになるからです。検索機関は必ずユーザーに対し真実に近い情報を届けようとするバイアスがかかっているからです。

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ワールドライブラリー http://pabro.osaru.us/www/blog/2014/11/25/%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%aa%e3%83%bc/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2014/11/25/%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%aa%e3%83%bc/#respond Tue, 25 Nov 2014 01:48:10 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=1084 電子書籍がiPad とともに騒がれてしばらく経ったけれど、話題ほど隆盛を感じません。今もこれからも書籍を手にして「本を読む」という行為が無くならないという確信があります。

 

 

子どもたちは、抵抗無くこの電子書籍の世界へ入ってゆけると思います。それでも紙の本の佇まいがたくさんの利点を持っていることは親の多くが実感しているのではないでしょうか。
その反面、スマホを持たせて子どもに時間つぶしさせたり(もちろん学習も)している親を見ると、“だめだめ”と心でつぶやいている自分と、我が子とiPadで遊ぶ自分とが同居しているのです。

 

そんな子どもたちに、親が毅然とルールづくりを提供できるかというと、はっきり言って無理です。自身がiPhoneに没頭する時間が増えているのに、本だ読書だとか言えるはずがありません。そんなアンビバレンスな状況でもなお、ちゃんと読ませたい思うのは「絵本」です。

 

絵本は誰もが子どものときに通過する素晴らしい物語と出会う“場”です。場というのは絵本というつくりものだけでなく、それを読む子、読み聞かせる親らの作り出す空間があるからです。

 

もちろんこれも電子化されてiPad の中にはあります。しかし実物としての絵本って、子どもにとってすごく大きなサイズです。子どもたちにとってそれは、世界を覆い尽くす大きさなのです。そしてページをめくるほどに、みごとに切り替わる世界、あっという間に終わる世界。どこでもない日常にすぐに戻ってこられるトリップ体験。

さらに子を持って気づく大きなメリットというのは・・・濃密な親子時間をつくることができるというものです。

 

このようなことは子育てで誰もが気付くことかもしれません。ただ体験的に語らないだけで。

 

この度、ワールドライブラリー(WORLDLIBRARY)という事業のお手伝いをしました。この事業は絵本のレンタルなのですが、翻訳されていない海外の良書を初翻訳して子どもたちの集まる場、待合室などに定期的に届けるのです。毎月10冊が毎月切り替わるのです。これらはローテーションされ、壊れればリペアし、最終的には地域へ寄贈されます。本は各国大使館の協力のもと、海外文化の素晴らしさと多様性を学べるように厳選されます。このような取り組みを他のレンタルサービスとは違うアプローチで周知させるにはどうすれば良いか? ホームページのお手伝いとともに、ページめくりのギミックで絵本のように伝えるストーリーをクライアントの方々と打ち合わせし続けました。大義があってもそれは商売であり、完璧なアピールに到達することは難しいと思いますが、こんなスペシャルページを作成しました。絵本作家 きのとりこ さんにご協力いただきました。

WORLDLIBRAY

 

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現実と非現実と http://pabro.osaru.us/www/blog/2014/04/11/%e7%8f%be%e5%ae%9f%e3%81%a8%e9%9d%9e%e7%8f%be%e5%ae%9f%e3%81%a8/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2014/04/11/%e7%8f%be%e5%ae%9f%e3%81%a8%e9%9d%9e%e7%8f%be%e5%ae%9f%e3%81%a8/#respond Fri, 11 Apr 2014 05:33:15 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=1042 BDで「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」っていう、ファンタジーともリアルともとれる映画を見ました。いや、明らかにファンタジーですよね。これは心の奥にしまわれた傷を癒(自己解決)してゆく物語。1年も前のアカデミーの監督賞ですよ。アン・リーは大好きな監督ですが、これはちょっとなぁ、と思いました。

少々長い序盤で時代の「現実味」を強調してから、非現実へ誘うため私たちをサバイバル世界へ放り投げます。このコントラストが見事なのですが、どうせCGと思ってしまうため、時折ぞっとしながらも冷めて見てしまうのは悪い癖でしょうか。でもこういう世界に身を投じて感動することも映画の醍醐味ですので十分に楽しみました。CG・SFXのオンパレードですから。でも結論を見る側にゆだねるラストは構わないけど、「どっちでもいいよ」と思ってしまいました。

 

映画なんて大ボラです、すべてが。見事に美しく騙されたいと思います。騙され切って映画館を後にしたい。どっちでもいいよ、というのはつまり感情移入できなかった、ということです。非現実ぶりを堪能した後、それは私とは何の関係もないどこかの話ということで心の奥にしまっておこうと思います。

 

アン・リーの作品で「グリーン・デスティニー」がありますが、あんなのめちゃ非現実的ですが、素晴らしい成長物語になっていると思います。河に身を投じる主人公の気持ちの機微を反芻したものです。「ブロークバック・マウンテン」では切ない“男ごころ”がサウンドトラックのギターとともに琴線にびんびんきました。

 

パイの人生を大自然のなかの一こまととらえるのか各エピソードにいろいろな含蓄があるのか、私の知見が露呈してしまいますが、わかりませんでした。

 

スクリーンショット 2014-04-11 14.46.06

 

これに対して「秒速5センチメートル」の新海誠は「言の葉の庭」で、非現実世界を非常にリアルに目の前に持ってきます。欧米のアニメ表現のリアリズムがCGとなってこれでもかと押し付けてくるのとは対照的に、新海誠はあくまでも2次元のアニメ表現の延長に、「現実」を持ってきます。そして見事に騙されるのです。彼の映画で何度も感じたことですが、一瞬一瞬に“匂い”や“空気”が伝わってくる、というものです。それは描画力というものかと思います。どこにでもあるシーンの切り取り方、とも言えるかもしれません。

 

だから誰かさんの作り話が、「現実味」を持って迫ってきます。計算されたフィクションの積み重ねで、ありそうもない話が、主人公のこころの動きとともに鷲掴みにされてしまう瞬間があります。

うまいなぁ、と思いました。「言の葉の庭」は、「パイ」とな何のつながりもありません。ただ、人生に切り取り方にはいろんな方法がある、と思いました。

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http://pabro.osaru.us/www/blog/2014/04/11/%e7%8f%be%e5%ae%9f%e3%81%a8%e9%9d%9e%e7%8f%be%e5%ae%9f%e3%81%a8/feed/ 0
プロの視点~写真展を見て http://pabro.osaru.us/www/blog/2013/08/30/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%81%ae%e8%a6%96%e7%82%b9%ef%bd%9e%e5%86%99%e7%9c%9f%e5%b1%95%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%81%a6/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2013/08/30/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%81%ae%e8%a6%96%e7%82%b9%ef%bd%9e%e5%86%99%e7%9c%9f%e5%b1%95%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%81%a6/#respond Fri, 30 Aug 2013 09:20:25 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=767 写真展を観てまいりました。
1970年代。横須賀ドブ板通り。藤田亮写真展「ONE FOR THE ROAD」。ベトナム戦争はまだ続いている。米兵が闊歩する。夜は酒と女を目当てに通りは喧嘩やおふざけ。昼は学生たちの闘争がモノクロ写真に切り取られている。会場は横浜の地下ギャラリー。自分がその時代そこに生きたわけではないが、地続きでこの土地に歴史が刻まれているんだということを感じる。藤田氏が繰り返し通ったというドブ板。当時ものすごい引力があったことだろう。藤田氏が撮りたいと思った瞬間が、40年のときを経てここにある。
だが、当時と比べて社会が弛緩して見える今では、時の緊張感を追体験することは難しい。ところが、一冊にまとめられたすばらしい写真集を見るとなぜか通りの喧騒が聞こえてくるようである。静止したその瞬間瞬間が、生き生きとして感じ取ることが出来る。会場と同じ写真であるのだが、本という形態のため連続して展開するという演出がリアルさを際立たせるのだろうか。

 

http://distilleryimage2.ak.instagram.com/11daae56fc4c11e2808622000a1f9aaf_7.jpg

 

藤田さんには数年ぶりに対面させていただいたが、この写真には縁があり、数年前の個展でお手伝いさせていただいたことがある。そのときは17インチのディスプレイに写真をスライドショーさせた。
写真を見るという行為には様々な方法がある。額装で一枚一枚丁寧に見ることも出来れば、本をめくるように閲覧することも出来る。スクリーンに投影することで連続した臨場感を持たせることも出来る。その方法を作家が提示することで、見るものへの伝わり方が違ってくるだろう。購入した本を手にしながら、この写真には連続したストーリーがあるのだな、私にはそのように思えた。

 

 

続いて日を改めて、もうひとつ写真展に伺った。小林恵写真展「フクシマ」。御茶ノ水駅近くのギャラリーだ。
ひっそりとした空間の壁に「あたりまえのものが失われた世界を生きる」と題された福島の街、村、里山のモノクロームの景色。何も変わらないようにたたずむ家々にどうしても“生活の痕跡”を探してしまうのだが、どこにも人は写っていない。
あるのは残像と壁に書かれた遺言と人間のエゴの犠牲になった動物たち。2年を経ても容赦なく現実を突きつけてくる。写真には現地の放射線量が刻まれている。放置された今を伝える、残酷なメッセージでもある。
加えて外での遊びを制限された一時避難の子供たち。(こちらはカラー写真) その表情だけは救い。

 

 

小林氏は香川県豊島の生まれ。私が先日お手伝いした豊島事件・産廃問題のWEBでは氏の写真なくしては成立しなかった。問題が問題として存在し始めた当初から取材されておられるその行動力と真摯な眼差しは「フクシマ」に於いても変わることはないのだろう。小林さんに御礼のひとつでもと思っていたがこの日お会いすることは叶わなかった。

 

 

趣き・視点こそ違えどもカメラマンというプロフェッショナルの魂を感じることが出来た写真展でした。

 

 

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Flipsnackを試してみる http://pabro.osaru.us/www/blog/2013/03/03/flipsnack%e3%82%92%e8%a9%a6%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%82%8b/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2013/03/03/flipsnack%e3%82%92%e8%a9%a6%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%82%8b/#respond Sun, 03 Mar 2013 09:45:57 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=756 仕事で冊子を企画したので、プレゼンテーション用にページめくりの機能をもったスクリプトを探していたらFlipsnackというのを試す機会を得たので作ってみた。いわゆるiPadなどでも散見するページをサイト上でめくるアニメーションを再現する機能だ。動作はスムース。無料の登録から、PDFのアップロードまで実に簡単だ。Flash Playerでの表示なのだが表現力・バリエーションは豊富。一応iPadでも見られるようにもなっているようである。

これはその機能で自身のポートフォリオPDFをFlipsnack化したものだ。ページによって読み込みに時間を要するときがある。

じつは、ブログに挿入したりダウンロード機能を使うには毎月の支払いが必要だ。単発での購入も可能なようなポイント制のアナウンスもある。このページに貼り付けてあるのはオリジナルページのスクリプトをコピペした見たもの。だから何かがひっかっかってパーフェクトな動作をしないことがある。とはいうものの、仕上がりはよいので無料のメンバーシップだけでも十分に利用できる。

 

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http://pabro.osaru.us/www/blog/2013/03/03/flipsnack%e3%82%92%e8%a9%a6%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%82%8b/feed/ 0
わたしを離さないで、私の中のあなたは。 http://pabro.osaru.us/www/blog/2013/01/09/%e3%82%8f%e3%81%9f%e3%81%97%e3%82%92%e9%9b%a2%e3%81%95%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%a7%e3%80%81%e7%a7%81%e3%81%ae%e4%b8%ad%e3%81%ae%e3%81%82%e3%81%aa%e3%81%9f%e3%81%af/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2013/01/09/%e3%82%8f%e3%81%9f%e3%81%97%e3%82%92%e9%9b%a2%e3%81%95%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%a7%e3%80%81%e7%a7%81%e3%81%ae%e4%b8%ad%e3%81%ae%e3%81%82%e3%81%aa%e3%81%9f%e3%81%af/#respond Wed, 09 Jan 2013 05:32:36 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=728 カズオ・イシグロの「私を離さないで」を読んだとき、設定こそやや近未来的だが描かれているが、それは青春の1ページであり、隔絶し禁欲的な宿舎で生きる子供たちの心の機微を、まるでそこにいるかのように表現し感銘を受けた。文庫本で読んだとき既にオビには映画のワンシーンがあった。映画化がされていることがわかったけれど、それから1年余、ようやくツタヤで借りてきて観た。もっと早く観たかったけど、残念な思いを抱きたくなかったし。

で、よかった~。音楽をレイチェル・ポートマンがやっている。長いいくつものエピソードをうまくまとめており主軸の自分探しの流れをしっかりと見せているし、自己存在の切なさが、小説以上に染みわたってきた。不安定な主人公たち。どこにたどり着くかわからないような話の運び。観終わってからも、もう一度時計を戻して、でもどこまで戻せばいいの?と自問自答し、仮に時計を戻しても何も意味はないということに気づかされる。このテーマはシンボリックに我々の将来を描いているなぁと感じ入った。すばらしい映画。監督 マーク・ロマネク。

 
そして、DVDコーナーで気になった、似たような題材のキャメロン・ディアス「私の中のあなた」も借りた。
これもいつか観ようと思っていたので、ついでに観た。この映画では最初にすぐに語られてしまう「病気の姉の提供役」として生を受けた妹の独白により、物語の方向性がはっきりとする。思慮深い主人公、偏屈で切れやすい母などそれぞれの役の性格がはっきりして、深刻な内容だけどアメリカ映画お得意の裁判シーンなんかが逆にありきたりな印象を受けてしまう。ただしある意味ポジティブな結末の後味は悪くはない。

 
この2本の映画には、ある共通のキーワードが存在するが、その視点は決定的で本質的な違いが見て取れる。方や選択の余地がなく、方や選択を得る。不器用で不自由な主人公と、聡明で先回りできる主人公。どちらもその結末に気づかされることがある。やはり人間同士は理解し合うことがとても難しいのだ。恋人であっても親子であっても。だが、どうしても聡明な主人公に感情移入できない。なぜならば自分がそうじゃないからだ。だから見る側の視点で大きく評価が分かれるのではないかと思う。「わたしを離さないで」の主人公たちの不器用さはそのまま我々ではないかと感じる。それこそが映画のリアリティだと思う。そう思わないではいられない理由が物語自身の中に隠されているのだが。そういう意味で小説の読後感と映画の印象の極めて近い稀有な映画だった。

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一度死んだハードディスクは復旧するのか? http://pabro.osaru.us/www/blog/2012/07/31/%e4%b8%80%e5%ba%a6%e6%ad%bb%e3%82%93%e3%81%a0%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%b9%e3%82%af%e3%81%af%e5%be%a9%e6%97%a7%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2012/07/31/%e4%b8%80%e5%ba%a6%e6%ad%bb%e3%82%93%e3%81%a0%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%b9%e3%82%af%e3%81%af%e5%be%a9%e6%97%a7%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f/#respond Tue, 31 Jul 2012 01:06:06 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=653 ハードディスクがクラッシュするというのは、本当に突然にやってきます。
以下の文章は「壊れてからでは遅い、気をつけましょう!」で、終わりです、内容的には。

 

もう何度か経験しているので、気づいたときにバックアップ作業をするのはもちろん、マックのほうはTimeMachineで防いでいます。それでも完璧ということは無いもの。ウインドウズのほうがかなりおろそかでした。iMacにWindowsをインストールしているマシンです。作業の中心の機械にしているにもかかわらず。ある時点を境にバックアップが無いことに気づくのはクラッシュした後。すなわち直近のデータが吹っ飛んでいます。
ただし、内部的には作業のすべてを納品と同時にオリジナルソースを分散保存しているので、ダメージは昔ほどではありません。しかし、やはり、さっきまでやっていた作業に手をつけられないというのはなんということだろうか、目の前が真っ暗になる思いです。

 

 

すかさず起動しないマシンに、あの手この手とやりますが、クラッシュしたらあまりそんなことはやらないほうがいいみたいですね。でもすぐにでも復旧させて今日明日の仕事の続きをと考えるほど、あせってOSのディスクを入れたり出したりしてしまいました。
手に負えないとわかると、アップルストアに予約して持ち込んで、というようにいつもの何倍も手際よく事を進め、その日の夕方には渋谷に持ち込んで検査してもらいました。結果はHDが死んでいると。もうこれは即決あきらめて、帰りは内蔵用HDを購入して帰ることに。幸い次の日は休みが取れていたので、HDの入れ替え作業を自分でやりました。ディスプレ一体型のiMacの中は精緻で高密度。宇宙船の中のようです。作業は何とか終え、OSも入れなおし、バックアップから復元させ、直近の状態に戻しました。
しかし失った中に仕事とは関係ないプライベートな家族の写真などもあったりしてすごく悲しいものですね。これはもう取り返しがつかないのか、ハードディスク復旧の情報をネットで調べるといくつもあって、値段もばらばら。3万から30万と幅広い。信頼性もよくわかりません。掲示板などの書き込みで評判を確認しても本当かどうかさえ怪しい。それでも復旧の可能性チェックまで無料なので意を決して地方のある会社へ連絡。すぐに送れというのでプチプチで送付。連絡を待ちました。

 

届いた日にすぐにメールが来て見積もりは約10万。「珍しい機種だから同じものをオークションで落とす。しばし待つか、同業他社に再発注する」ということで、物理的損傷でパーツを替えて読めるか試すのだろうか、よくわかりませんが状況に従うしかありません。ただしいつ落札できるかわからないためただ待つのが嫌だったので、日にちを決めて落札を待ち、だめなら同業他社へとお願いしました。簡単ではないですね。

 

結論は、10日ほどかけて、韓国の業者に頼んでいたようでしたが「修理不能」で帰ってきました。国際運送料のみの請求でした。ふぅ。
デジタルデータはあるか無いかしかなく、「不可能」というならなら不可能なのでしょう。もちろん高い技術力で復旧させることができる会社は数あると思います。それでも乗り越えられない壁も存在するのです。
いつか未来、技術がさらに進歩して、私の家族の写真が戻ってくることはあるのでしょうか?

 

得た教訓は、あります。一度死んだHDは復旧しない。そう考えておくといい。
とにかくデータは自動でも何でもいいけど、まめに分散させて管理しておかなくちゃ。

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実体験でわかったiPadインターフェイスの盲点 http://pabro.osaru.us/www/blog/2012/06/12/%e5%ae%9f%e4%bd%93%e9%a8%93%e3%81%a7%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%81%a3%e3%81%9fipad%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%95%e3%82%a7%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%81%ae%e7%9b%b2%e7%82%b9/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2012/06/12/%e5%ae%9f%e4%bd%93%e9%a8%93%e3%81%a7%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%81%a3%e3%81%9fipad%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%95%e3%82%a7%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%81%ae%e7%9b%b2%e7%82%b9/#respond Tue, 12 Jun 2012 06:25:34 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=621 iPad のアプリに「AqTk2App iPhone」ろいうのがあって、テキスト入力で合成音声を生成・発音できるのですが、これはタッチデバイスならではのユーザビリティを提供するのでは!と考えました。

AqTk2Appは、テキスト入力後はリストされた履歴がそのまま発声ボタンになるのです。これはパッドの操作が苦手でも「発音」させるだけなら簡単。つまり発声が不自由な方が意思疎通に使えるのではないかと思いました。私の父がまさにそうで、見聞きはしっかりしているようでなのですがうまく声を発することができないもどかしさを、このようなアプリが補うことができないかと考えたのです。ただし父は手も不自由なのですが左手の上げ下げはできるので、指タッチは可能。前にもお絵かきソフトを利用したことがありました。

そこで、今回iPad を持って病院で試してきました。結論を先に書くと「使えない」ものでした。
これは症状の重度にもよるかもしれませんが、タッチデバイスの決定的な操作性のルールによって、父にはテキストボタンを押すことがままならないのです。

 

 そのタッチデバイスのルールとは、ボタンとしての反応は「タッチを離したとき」であるという仕様です。スクリプトで言えば「on (release) 」です。リリースしたときに反応するのはiPhone カメラのボタンなどがよい例ですが、「押したまま対象を捉えてから」リリースすればシャッターが切れる、という感じです。
これはiOS に限らず誤作動を防ぐための措置だと思いますが、この「ボタンを離す(リリース)」動作が父にはできないのです。だから、対象を捉えてもシャッターが切れないという繰り返しでした。いくらテキストボタンをタッチしても「ドラッグ」してしまうのです。ドラッグは多くの場合「スクロール」してしまい、ボタン機能が作動しない、という結果となりました。
あらためてソフトウエアに頼らない「物理的ボタン」の重要性を認識しました。ボタンはボタンらしく「押した瞬間」に反応してほしいと、私だけではなく「父自身」が感じたでしょう。

 

おそらく何の障害もなく操作できる方が多数のはずですが、今回知ったのは、ベッドで寝ているとタッチした局面から「指を離す」動作がことのほかしづらい、という事です。

 

これには打開策があるのでしょうか?ボタンがボタンらしく「押したときに機能」させることは、誤作動を起こしたりキャンセルができなくなるので制作時に採用されないのでしょうか?条件的な選択の余地を増やせば誤作動は回避できそうですが、クリック数(タッチ数)が増えてしまいます。
いままで健常ゆえに見えていなかったことを、改めて気づかされました。自分のいつものデザインの中にも意識せねばならない重要なヒントがあるようにも思いました。
ユーザー・インターフェイス・デザインはまだまだ発展ののりしろがあるのだと感じました。

 

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おかしな二本の映画について http://pabro.osaru.us/www/blog/2012/05/19/%e3%81%8a%e3%81%8b%e3%81%97%e3%81%aa%e4%ba%8c%e6%9c%ac%e3%81%ae%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ http://pabro.osaru.us/www/blog/2012/05/19/%e3%81%8a%e3%81%8b%e3%81%97%e3%81%aa%e4%ba%8c%e6%9c%ac%e3%81%ae%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/#respond Fri, 18 May 2012 15:31:14 +0000 http://pabro.osaru.us/www/?p=612 「テルマエ・ロマエ」っていう映画を見てきました。
親子で笑えたなかなか楽しい映画でした。不要な屁理屈のシーンもあるように感じましたが、シチュエーションが常軌を逸しているのでやむを得ないかもしれません。これはまさにシチュエーションがもたらすギャップとシンクロの物語なのだと思います。シチュエーションのアイデアが秀逸なのです。
ギャップが可笑しさをもたらし、シンクロで感情移入できるのでした。屁理屈はマンガなら適当に済まして最終回まで引っ張ってゆけばよいのですが、映画は二時間で大団円させなくてはいけないので少々無理が生じても致し方ないと思います。

 

もう一本「アーティスト」という映画を見ました。
ミシェル・アザナヴィシウス監督。こちらは前者とは何の関係も無い、映画への愛に満ちたオマージュ。無声映画から「トーキー」へと時代が推移する中、翻弄されるスターの栄光と挫折と再生。ストーリーはオーソドックスな展開で先が読めなくもありませんでしたが、落とし所を心得た「うるっ」くる流れでよい時間をすごせました。破綻無い映画らしいトリック、無声映画における音楽・サウンドトラックの取り扱いなどよく考えられています。

 

 

この関係の無い二本の映画で思ったことは、その映画らしいトリックに「技あり」と思わせられたことです。一風変わった「おかしな」工夫がされているのです。
「テルマエ・ロマエ」では古代ローマ人が日本社会のもっとも生活感漂う場所に佇むだけでリアリティを持って笑わずにはいられない。ウソをほんとのように見せる。そのために対比として冒頭に日本人による徹底的な古代ローマ空間を実現しています。

「アーティスト」では無声映画の空気感・デザインを徹底的にコピーして、モダンな映画館を無声映画館へと変貌させ、映画における「音」の意味を再認識させられるのです。

なにもこのまったく違う映画の共通点を無理やり見つけようというのではないのですが、ドラマチックな現代劇とは一味違った工夫が映画の魅力になっているなぁと感じたのです。その工夫をたとえ作り物とわかっていても騙される快感、というようなものでしょうか。もちろん脚本は練りこまなければいけない。そこへリアリティを与える音楽と美術の勝利です。

 

あとから「テルマエ・ロマエ」の原作を読んでみると、アイデアのほとんどが凝縮されており、映画向きと思わせるものがあります。それも美術の完成度あってのことです。

「アーティスト」における美術はその時代性を完璧に反映させ、これはこの時代を生きた人の「限りなく実話に近い寓話」なのだと思い込むに至りました。そして綿々と現在のショービジネスにつながっている。ビジネスと言うと人間味がありませんが、生きる糧としてのライフワークです。二人が「タップ」を踏むシーンはいつまでも終わらないで!と願いました。

 

3Dなんか必要ないんですよ。映画のトリックに騙され続けたい、と思える二本でした。

 

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